明治十年創建
殿様が領民に深く
慕われていたことを今に伝える
荘内神社

• 

  藩主の歴史物語

  徳川四天王、筆頭
  庄内酒井家　初代酒井忠次

  徳川家康の叔父にあたる酒井忠次は、天文十八年（1549）家康の父広忠が逝去した後、今川義元に人質となった幼主・元信（後の家康）の身を気遣いつつ、三河国内の政務に尽力する。今川義元が負死すると、三河に家康を迎えて補佐。三河における今川の勢力を放逐、一向一揆を鎮圧するなどの功により吉田城（現在の豊橋市）を与えられた。

  酒井忠次は、姉川・三方原・長篠・小牧長久手の各戦役に活躍し、また家康の外交官としても手腕を振るい、真に家康の重鎮として、徳川四天王の筆頭と称された。

  忠次の代表的な戦功に長篠の戦いがある。天正三年（1575）、武田勢を吉田城下で酒井七騎聚が奮戦して、長篠に追いやった。

  織田信長・徳川家康軍は、長篠で評定を開き、酒井忠次が進言した鳶の巣山城急襲作戦を実行。忠次は、先鋒を命じられ急襲作戦は成功し、あわせて織田軍の新兵器銃撃戦で長篠の戦いに勝利した。

  天正十四年（1586）には徳川家康に従って京都に上り、豊臣秀吉から近江に千石の地を与えられ、家中では最高位の従四位下・左衛門督に叙位任官された。天正十六年、吉田城を嫡男・家次に譲り、眼病のため隠居する。京都で入道して専修念仏に過ごし、七十歳で逝去。京都・知恩院（先求院）に葬られ、後に鶴岡酒井家墓所に分骨される。明治十年（1877）鶴ヶ岡城址に荘内神社が創建され二代家次、三代忠勝とともに合祀された。

• 

  藩主の歴史物語

  国内和合の仁政に尽力
  酒井家　第二代酒井家次

  幼少より家康公の家臣として仕え、父忠次公の後を受けて家康公・秀忠公を助け、支え続けました。人心の安定を図り徳川家の基礎を固め国内和合の仁政に力を尽くした功により、越後高田10万石の領主に封ぜられ、酒井家の地位を安泰のものとしました。

• 

  藩主の歴史物語

  庄内藩初代藩主
  酒井家　第三代酒井忠勝

  父は、徳川家康に召され、家康の諱一字を拝領し、忠次の一字を継いで家次と称した。忠勝は、慶長十四年（1609）将軍・徳川秀忠に召されて元服し、諱一字を拝領し、従五位下宮内大輔に任ぜられた。

  下総国碓井（千葉県）から高崎五万石に転封になり、慶長十九年（1614）に大坂冬の陣、翌年には夏の陣に父家次とともに出陣し、活躍した。高崎五万石から高田十万石に転封となる。父・家次が逝去し越後高田城で家督を継ぎその後、信州松代十万石に転封。元和八年（1622）最上氏改易となり、出羽庄内十三万八千石を賜って入部。

  寛永九年（1632）六月肥後熊本の城主・加藤忠廣が随従家臣二十名とともに庄内丸岡に配流となり、この時幕命を受けて監守にあたり十四万石となる。監守とはいえ、鄭重に遇し、藩主・忠勝はたびたび忠廣を見舞ったといわれる。寛永二十年（1643）会津城主・加藤明成、罪あって城地没収の折、命をうけて会津城在番もつとめた。

• 

  藩主の歴史物語

  士風刷新と徂徠学
  酒井家　第九代酒井忠徳

  元禄の頃より財政が窮乏していたため、経済の抜本的立て直しを企図し、みずから範を示して広く士民に倹約を励行。天明元年（1781）酒田の富豪本間光丘を勝手方御用に財政改革を命じて財政を立て直し、後に神田大黒といわれた。

  寛政七年（1795）、農政改革を実施し徳政を断行。同九年（1797）将軍・徳川家齋の世子・家慶が朝廷より大納言に任ぜられたときは、幕命を受け奉献の使者を務めて京都に上った。また退廃の士風刷新のため白井矢太夫の献策を用いて徂徠学を教学にし、学問所の設立を指示。文化二年（1805）藩校「致道館」を創設した。

  書画をよくしたほか、和歌、俳諧に長じ、和歌は京都の冷泉為泰、日野資枝、烏丸光胤卿に師事。現在致道博物館には京都公家らとの交流を物語る大量の書簡や和歌、また、俳諧作品や資料が膨大に残され、注目を集めている。

• 荘内神社
• 宝物殿
• 鶴岡護国神社
• 御城稲荷神社
• 大鳥居